ビジネスの素

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オルタナティブデータを解析して顧客ニーズを発見する

収納整理クラスター解析:Q&Aサイトから得られたデータに基づく【模様替え】に関するニーズ分析

共起ネットワーク(収納整理クラスター)
(収納整理クラスターの共起ネットワーク:   言葉や事物の関係性をグラフに表現したもの)

【模様替え】で検索された Q&Aサイトの質問をクラスター分析し、収納整理に関するニーズを洞察する


Q&Aサイトでの検索キーワードを【模様替え】にした結果、表示された質問をクラスター分析しました。
分析の結果、【収納整理】に関するクラスター(まとまり)が見つかりました。
この収納整理クラスターを解析することで、ユーザーのニーズを洞察します。

分析手法: クラスター分析・テキスト解析
対象データ:  Q&Aサイトの質問
検索キーワード:  模様替え
クラスター:  収納整理について
全体に占める割合:  9.6%(ノイズ等を除いたデータでの計算)


捨てられない、片付けられない、場所がない、時間がない,
ない!ない!ない!のニーズに対して...

 収納・整理・片付けといったテーマは、私たちの日常生活において重要な役割を果たしています。

部屋やスペースを効果的に活用し、心地よい環境を作り出すためには、物の整理や収納の方法について考える必要があります。

収納・整理・片付けに関連するニーズを考える際、以下のように分類することができます。

1, 物が捨てられない

 昔撮ったスナップ写真のアルバムや、小中学時代に作った工作品などの思い出が詰まった物・趣味で収集していた物などが捨てられなくて、部屋が上手く整理できないというもの。

これらの物は単純な不用品ではなく、簡単には捨てられないため、断捨離ビジネスやリサイクル関連のサービスでは対応が難しい特徴があります。

2, 片づけられない

 片付けが苦手な人が具体的なアドバイスを求めているケースです。

部屋の乱雑さにはさまざまな程度があり、軽微なものから汚部屋まで、その程度に応じた対処法が要求されています。

3, 場所がない(部屋が狭い)

 部屋が狭く感じるので、収納や家具の配置換えでの対応法を教えてほしいというニーズです。

スペースを効果的に活用し、部屋の圧迫感を解消する方法が求められています。

4, 時間がない

 片付けや整理にかける時間がなく、部屋が散らかっている場合です。

前提として、仕事が忙しく家事に十分な時間が取れない状況があるため、本人の努力だけでは解決できないと考えられます。

そのため、本人以外のリソースをどのように確保するかが重要になってきます。

5, 同居人に片付けさせたい

 質問者本人ではなく、同居人が部屋を汚し片付けない状態の場合です。

質問者は同居人に片付けさせることを要望しています。

 これらのニーズは、概ね必要に迫られてやむなくという場合が多いので、ウェルビーイングやQOL(生活の質)の向上という切り口ではなく、コスト・パフォーマンスで訴求するほうが効果的と考えられます。


Contents  |   目次

Chapter1 出現単語のランキング
Chapter2 質問者の声(要約)
Chapter3 ビジネスの素(片づけサービス)
Chapter4 ビジネスの素(外部保管他)

Chapter1   出現単語のランキング

収納整理クラスター

出現単語ランキング(収納整理クラスター)
(収納整理クラスターでの出現単語ランキング: 上位20位)

Chapter2   質問者の声(要約)

質問サンプル

部屋の模様替えで収まっていた物が入り切らなくなった。不要な物は処分したほうがいいのか?

小さい頃に使ってたおもちゃなどが捨てられない。どこかに上手くしまえるのか?

パソコン周りの収納で、おすすめの方法は?

部屋がなかなか片付かないです、アドバイスして下さい!

片付けが苦手で物が部屋に溢れています、片付ける手順を教えて下さい。

散らかりにくい部屋にするにはどうすればよいのか?

散らかった部屋を片付ける第一歩として必要な事は何ですか? 収納具を買うことですか?

家が片付けられなくて、ゴミ屋敷のようになってる。どこから手を付けて良いものか分からず、途方にくれている。

6畳の部屋なのに物が多くて狭い、何かいい方法はあるのか?

自室が狭いので、趣味のギター本体などを床に置いている。どのように管理するのがよいのか?

片付けたくても仕事が忙しく疲れきっているのでできない。どうしたら、部屋中が片付けれるのか?

同棲中の彼女の部屋が汚すぎて困っている。彼女に部屋を綺麗にする習慣を付けさせるにはどうすればいいのか?

Chapter3   ビジネスの素(片づけサービス)

2, 片づけられない

 このニーズは細かくみるとさらに分類できそうです。

一つは「汚部屋」に象徴されるように、部屋の散らかり具合が大きく、部屋が汚染されている状態での片付け要請。

これとは別に、部屋の散らかりはそこそこだが、部屋を特定の状態にすることに価値を見出しているケースがあります。

汚部屋

 まずは汚部屋のケースからみていきましょう。

これは不用品回収専門業者のサービスの一環として行われているようで、一般廃棄物処理業許可証を持つ手堅い業者が対応しています。

有名なところでは「片付け堂」の ゴミ屋敷・汚部屋の片付けサービス などです。

料金参考例によると、基本料金として 120,000円(車両費(4t車)20,000円、人件費(4名)65,000円、処分費 25,000円 管理費 10,000円)で販売しています。

片付け堂(片付けサービス)
片付け堂 (https://www.katazukedou.com)

人手と時間の確保が求められますが、社会的に有益な事業ですのでぜひ参入してみましょう。

片付けコンサルタント

 次は汚部屋とまではいかないが、やはり部屋が散らかっている場合です。

これには、片付けるための具体的なアドバイスが求められます。

このニーズに応えることに最も成功した人物の一人として 近藤 麻理恵(こんまり) 氏が有名なのはご周知のとおりですが、ビジネスモデルとして学ぶべきことが多いので改めて紹介したいと思います。

 彼女は、片付けコンサルタントとしてニーズに巧みに応えています。

著書である 「人生がときめく片づけの魔法」 は大ヒットし、日本のみならず世界各地で販売され シリーズ累計で 1000万部を超えるという驚異的な記録を樹立しました。

1000万部というと、本の値段を仮に 1,000円と仮定しても売上高は 100億 を超えます。

自己認識を変化させる

 さて本の内容ですが、片付けに対する意識的な側面に重点をおいて、従来の技術的な方法論(収納グッズや整理方法)だけに終始しなかったので、これが売れた要因の一つとして考えられます。

片付けの方法論的なもの(具体的行為)としては、「物の廃棄」「収納位置の決定」程度しか主なものとして挙げられていません。

しかし、彼女の凄いところはこの行為に価値付けを行っていくことです。

 例えば、物を捨てる際にその判断基準として、その物に「ときめくかどうか」という基準を設定し、相手に考えさせます。

こうすることで相手の心が揺さぶられ、強烈な印象が物の廃棄に結びつき、何気ない「捨てる」という行為に付加価値が帯びるのです。

この他にも、片付け始める前に「理想の暮らしを考える」という過程を踏ませることで、自己啓発的な要素をさりげなく織り込むことにも成功しています。

本の中で「片づけはマインドが9割」と主張しているとおり、心情に訴えかけ相手の認知を変化させることに非常に長けています。

自分は変わった、片付けられる人になったんだ、新しい自分に変わったんだ、と相手の自己認識を変化させていくのです。

認知ビジネスの典型的な成功例としても考えられるでしょう。

また片付けを心理的な側面に落とし込むことにより、片付かない場合でも相手の心情にその帰責性を向けられるので、自分への批判をかわすレトリックにもなりうるのです。

人工的に希少性を生み出す

 それはさておき、元来片付けるという何気ない行動・特筆すべきことがない行為に着目したのは、経済的な慧眼があったとしか思えません。

一見すると無意味で大して価値があるとは思えない行為に価値を与え、人工的に希少性を生み出し商品化(サービス)させる。

その術は、ありとあらゆる物を商品にしようとする資本主義の本質そのものだからです。

その意味で 近藤 麻理恵氏は資本主義の体現者といえるでしょう。

「捨てる!」技術

 さて、片付けコンサルの第一人者になった 近藤 麻理恵 であるが、彼女に影響を与えたとされる本があるようです。

それが、「捨てる!」技術(辰巳 渚) という本です。

この本は、捨てるための考え方やテクニックについて紹介していて100万部を超えるベストセラーになった本です。

2000年に販売され、断捨離ビジネスの先駆けになったものです。

著者である辰巳 渚氏は、元広告プランナーということもあり、時代の要請てある「大量生産・大量消費・大量廃棄」に要領よく応える内容を提示しました。

約20年経った現在(2023年)で、まだ訴求力が残っていることを鑑みると、現在もこの時代背景の延長線上にあると思われます。

 流行や消費は繰り返されるので、昨今の'こんまりブーム'が去った後、その再来に備えて今から準備するのもよいかもしれません。

本が 100万部売れれば、価格設定を 100円 にしても売上高は 1億円 になります。(印税計算は別)

一攫千金を狙える分野ですので、虎視眈々とタイミングを見計らってはいかがでしょうか?

(余談ですけれども、辰巳 渚氏の「捨てる!」技術 に関してあるジャーナリストとの論戦が繰り広げられました。

そのジャーナリストとは、あの田中角栄研究で角栄を退陣に追いやった 故・立花隆さんです。

「知の巨人」と称され、蔵書数万冊を誇る立花さんからすると、本を無闇に捨てるのは野蛮にしかみえなかったと思われます。

科学・文化に造詣が深く、市場経済では測定できない価値があることを知っている教養人からみれば、当然の反論だったと考えられます。)





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