ビジネスの素

Chapter4   ビジネスの素(外部保管他)

1, 物が捨てられない 3, 場所がない

 物が捨てられない、というより物を捨てたくないが場所が無い、というニーズに対しては「外部に置く」という手段が解決策の一つとして提示できます。

いわゆる「収納の外部化」というものです。

これにはトランクルームなどが既に展開されていますが、一般的なトランクルームとは趣きが異なり、箱単位で荷物を出荷し預ける 「宅配型保管サービス(宅配型トランクルーム)」について考えてみましょう。

 「宅配型保管サービス」で有名なものといえば minikura がありますが、これを運営しているのが 寺田倉庫株式会社 です。

minikura (https://minikura.com)

 1950年創業の老舗企業である 寺田倉庫 は2012年にこのサービスを開始しました。

元より美術品やワインなどのナイーブな物の保管を得意としており、保管・保存技術に強みのある会社です。

そんな寺田倉庫が、巷にあったトランクルームの問題点を解決すべく開発したのが minikura でした。

 トランクルームは大型の荷物に適切だが、少量の荷物には適さないことや、顧客が長期利用により保管状況を忘れること、などの問題点がありました。

これを解消すべく寺田倉庫は、箱を単位基準として収納することで小型の荷物にも対応しました。

また荷物を撮影することで、顧客は保管状況を確認できるようになり、保管物の状態をweb上で把握できます。

寺田倉庫はこのようにして、「物が捨てられない、場所がない(部屋が狭い)」という声に対応しました。

デジタルタグ

 さて、荷物の保管自体は寺田倉庫のように盤石な企業しか運営は難しいですが、「モノをデータとして管理する」という工程ならば参入の余地は残っています。

寺田倉庫が荷物を撮影し、それをデジタル的に顧客の管理下に置いた部分です。

WMS(倉庫管理システムのこと Warehouse Management System)のような倉庫管理全体を担うものでななく、「デジタルなタグ付け」というスポットな機能に着目するのです。

この「デジタルタグ」をスマホで付けることで、収納の管理を行うというものです。

 現在(2023年)でこのサービスを行っているものは、 MonoMemo , 所有品管理 ものランドや JUSCLO（ジャスクロ）などがあります。

MonoMemo

App Store_MonoMemo (https://apps.apple.com)

いずれも、モノを撮影したりバーコード読取を行うことで管理を行います。

IoT のレベルまで達していませんが、発展途上としてこの先何らかのイノベーションが起こるかもしれません。

4, 時間がない

 家事代行サービスなどの対応になってしまうので、エッセンシャルワーク(福祉的)の傾向があります。

ここでは、ダスキン(DUSKIN)のメリーメイド - 家事代行サービス のみを紹介します。

ダスキン(DUSKIN) (https://www.duskin.jp)

キャッチコピーである「手にしほしいのはあなたの時間です。」というように、時間がないという問題を正面から解消するサービスです。

5, 同居人に片付けさせたい

 このニーズに対しては、決定的といえるようなサービスはまだ無い状況です。

ライフハックや片付けコンサルが部分的に対応しているぐらいです。

やはり、自分自身ならともかく、片付ける気が無い相手を動かすのは難しいようです。